杉岡幸徳の著作

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黄金虫

「黄金虫は金持ちだ~」の唄の「黄金虫」とは、実はゴキブリのこと。ゴキブリは食料があって暖かい場所にしかいないから、昔はめでたい虫とされていた。ゴキブリが嫌われるようになったのは、つい最近のことである。我々の美醜の感覚が、いかにいい加減な物かがわかる。
「黄金虫」子供に人気 http://t.co/5Sc9DFc

土用の丑の日には「うさぎ」を食べてもよい

土用の丑の日といえば、いつの間にか「うなぎ」を食べることが当たり前になっていますが、実は「う」のつくものなら何を食べていいんです。
別にウナギでなくてもいいんですよね。

「土用の丑の日にウナギを食べろ」と最初に言い始めたのは、平賀源内です。
あるうなぎ屋が、ウナギがまったく売れずに弱っていた。
そこに源内がやって来て、「土用の丑の日にはうなぎを食え」というコピーを書いて宣伝したのが始まり。
バレンタインデーにチョコレートを贈れとお菓子メーカーが女性を扇動し始めたのとまるっきり同じです。

本来は、夏バテに勝つために「う」のつくものを食べればいいわけで、梅干しでもウサギでもウミウシでもなんでもいいんです。
日本ではウナギよりウサギのほうがはるかに貴重で高いので、そのうち金持ち連中はこぞって、土用の丑の日にはウサギを追い回すようになるかもしれません。

おしゃれな業界人の間でも、「土用の丑の日にはなぜかウミウシを食べる」という習慣がはやるかもしれませんね。

「母国語」という言葉は誤訳

よく「私の母国語は日本語です」なんていうふうに「母国語」という言葉が使われますが、この言葉は誤訳であり、間違った言葉なんですね。

もともと英語では mother tongue といいます。
これは直訳すれば「母語」「母の言葉」、つまり「母親に教えてもらった言葉」という意味なんですね。「母国」だとか「国家」などといういかがわしい意味合いはどこにもありません。
ドイツ語でも Muttersprache 「母の言葉」という意味で、事情は同じです。

要するにこれは、「母と子」という極めて個人的な概念に、何者かが「国」という胡散臭い意味合いを密かに滑り込ませたものなんですね。言葉の世界に、国家権力の統制を持ち込もうとしているわけです。
母語と母国語はまるで違う概念で、時には対立することもある。
たとえばトルコに住むクルド人の母語はクルド語ですが、トルコ政府はクルド語を公に使うことを認めていない。つまりこの場合、「母語」と「母国語」は敵対関係にあるわけです。

「母語」はまだ日本語として目新しい言葉ですが(ただし辞書には載っている)、この言葉を使うと、「お、こいつできるな……」という感じになって格好いいので、お奨めです。
僕の知る限り、言語学などの世界では、「母国語」などよりも「母語」のほうが主流になっています。