杉岡幸徳の著作

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A Pure Heart

「ねえ、髭男爵っていうお笑いコンビがいるでしょ……」
この間、20代OLのK子とバーで飲んでいた時、こう言いだした。
「ひょっとしてあの人たち、本当はフランス貴族じゃなかったの?」

僕はずるっと止まり木から転げ落ちそうになった。
辛うじて体勢を立て直し、反論する。

「ちがうに決まってるだろ!」
「だって、自分でフランス貴族のルイ何世だって言ってるじゃない」
「漫才師の言うことを真に受けてどうする。そういう設定なんだよ。だいたい、なんでフランス貴族が大阪弁を喋るんだ」
「うーん……」

K子は口をつぼめ、宙を見上げた。

「おかしいとは思ったけど、フランスでも上流階級は大阪弁で会話してるとか。」
「確かに、昔のロシア貴族はフランス語で会話してたけどね。大阪弁がそんなにお上品な言葉かいな。そもそも、何が悲しくて、フランス貴族が日本でどつき漫才しなくちゃならないんだ」
「確かに変ね。でも、漫才を演じるのがフランス上流階級のたしなみなのかと思ってた。まさか、テレビが嘘をつくなんて、信じられないわ」
「君の信じやすい心に乾杯したいよ」

そう言って、僕は彼女のワイングラスに、自分のグラスを近づけた。

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