杉岡幸徳の著作

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俺の人生を指定しないでくれ

ゴールデンウィークの終盤、大阪から東京までの新幹線のキップを買う。
指定席は、案の定、ほとんどが満席だ。
特に僕は指定席にいろいろ条件をつけるので(禁煙にしろとか、三連席の通路側がいいとか)、さらに席は見つからない。

「三時間後の、三連席の真ん中なら取れますが……」とみどりの窓口の係員は言う。
しかし、僕は閉所恐怖症なので、真ん中に挟まれるのが嫌なのである。
ここで指定席には見切りをつけ、自由席の券を買って、一か八か新幹線に乗り込むことにした。

しかし乗ってみて、驚いた。
自由席には、結構な空席があるのである。
僕の好きな、禁煙で三連席の通路側という席も簡単に見つかった。
荷物を置き、ほっと一息をつく。

それにしても、「指定席」というものは、何のためにあるんだろう。
自由席よりも高くて、しかも自由席よりも混んでいるのである。

しかも指定席には「指定席の法則」というものがあって、隣に偶然絶世の美女が座り、会話が弾み、ひと時のアバンチュールを楽しめる、なんてことは決してない。

隣に座るのはたいてい「おっさん」で、バリバリ音をいわせながら新聞を読み、けたたましく携帯電話で話をし、仕舞いにはいびきをかいて寝込んでしまう。
あるいは「おばはんたち」が集団で乗りこんできて、「よっちゃんよっちゃん、ミカンこうてきたで!はよ食べんかいな!」などと宴会状態で、うるさくてたまらない。
しかし自由席なら、こういう悪魔のような人々を避けて、席を取ることが可能になるのである。

世の中には二種類の人間がいる。
指定席を取りたがる人と、取りたがらない人だ(なんでもそうか)。

僕は、圧倒的に「取りたがらない人」だ。
列車の席を指定するのは、自分ではない。
それは、鉄道会社の係員や、コンピューターが決めるのだ。
そういう訳のわからない他者に、大げさに言えば自分の未来や運命をゆだねてしまっていいのだろうか。

僕はそれがいやだ。
だからたいてい自由席を取り、その上で好みの席を探すのである。
美女とのアバンチュールは実現しないかもしれないが、それでもいい。それは自分で決めたことだから、少なくとも納得はできるのである。


俺の人生を指定しないでくれ。
俺の運命を、勝手にいじくらないでくれ。

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