杉岡幸徳の著作

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宝石と血

宝石店には、血の霞がかかっている。

そこは人間の欲望が踊る場所、
欲望こそ世界を動かす原理だ。
そこから世界が胎動し、始動する。

ルビー、サファイヤは血の上に咲いた薔薇、
ダイヤの光は冷たく世界を切り裂く。
オパールは低いうめき声をあげている。

ダイヤモンドのデビアスが南アフリカのアパルトヘイトを支えたように、
美はいつも戦慄と略奪をもたらす。
美とは、奪い尽くすこと、そして愛すること。


クリスマスの客が集う、ミルク色の靄がかかった、ある宝石店にて。

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